【司法試験】よくあるご質問 & 回答①
「人生はいつもQ&Aだ
永遠に続いてく禅問答」*1
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本日は、司法試験受験生から定期的に頂戴するような、よくあるご質問&回答(FAQ)を7つほど紹介する。
最近のTwitterのまとめ的なものではあるが、受験生の皆様方において、少しでもご参考になれば幸いである。
Q1 法科大学院では「受験対策」してはダメなのですか?
A1 法科大学院は実務家法曹を養成するところです。実務家になるには司法試験に合格する必要があるので、「受験対策」をしてはいけないということはありません。
よくある質問
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年11月3日
受験生「法科大学院で試験対策しちゃダメなんですか?もっと高尚な事を学ぶ場だって言われました。司法試験に合格したいんですが…」
回答「『試験対策でもあり、かつ理論的な水準も落とさないという授業』をできなければ、教員の資格はなく『首にすべき』と安念先生は仰っていますね」 pic.twitter.com/ltpBNirwaS
Q2 試験対策としてキーワードなどを記憶していますが、記憶の定着が悪いです。対策はないでしょうか?
A2 古典的ですが、単語カードを使ってみると効果的かもしれません。
司法試験受験生から定期的に頂戴するご質問ですが、暗記が苦手で、キーワード等の記憶が定着しない、どうしたらいいか?と聞かれることがあります
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年11月2日
対策の一例として、単語カードを使った司法試験の勉強法をブログで紹介していますので、読んで下さいと回答するときもありますhttps://t.co/e1W7ZzVNuF
Q3 憲法の論文対策として、時事問題について考えておくことが重要と聞きました。本当ですか?他の科目ではどうなんですか?
A3 合格するのに必須ではないと思いますが、日常のニュースと関連する判例(判例百選や重要判例解説に載るようなもの)が何なのか検討するとベターだと思います。行政法でも、一応、似たようなことがいえると考えられます。
例えば、最近の時事問題として、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(その芸術祭における企画展「表現の不自由展・その後」)への文化庁の補助金不交付を挙げることができます。この問題については、ネット記事や関連するツイートなどを参考にしてみていただけますと幸いです。
あいトリ補助金不交付の事案を参考にした問題が令和2年司法試験論文憲法で出る場合、事案が少し変わり、補助金交付決定処分の取消しor撤回処分の事例になりそう
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年10月20日
特に要検討の過去問はこの2つ
①新司プレテスト論文憲法
②平成28年予備試験論文憲法
↓のブログもご参考までhttps://t.co/01iEfLqQ2m
答案での活用が求められる判例は
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年10月20日
①公立図書館蔵書廃棄事件・憲法判例百選6版Ⅰ-74事件と、
②富山県立近代美術館事件(天皇コラージュ事件)・同Ⅱ-167事件
実現可能性や継続見込み(あるいは、一時期実現・継続できなかった)の点に関しては、②の地裁と高裁の規範とあてはめが特に参考になります
美術手帖の全文はこちらから↓
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年10月25日
(ヤフーニュースの方だと途中で切れてしまっています)
「あいトリ」補助金不交付問題は県vs国の法廷闘争へ。今後の展開を行政法学者(・弁護士)が解説
https://t.co/CP50WhnLZL
Q4 論文式試験では、判例は神様で、学説はゴミ扱いだ、と聞いたのですが、本当ですか?
A4 関連する判例への言及は必要になりますが、学説も特に最近の司法試験(論文)では重要だと思います。ですから、ゴミと称するのは不適当でしょう。あと、判例は「神様」というか「カミ」です。「判例はカミ,学説はゴミ」と仰った安念先生も、「神」とまでは言って(書いて)いません。
最近の受験生だと知らない方もいらっしゃるので、安念先生の有名な格言をご紹介します。「判例はカミ」「学説はゴミ」(中央ロージャーナル6巻2号85頁以下(88頁))
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年11月3日
ただし、この格言の射程は平成まで。令和時代の司法試験論文憲法には、及ばないので要注意。理由は↓のブログでhttps://t.co/kNki5tTRgn pic.twitter.com/txSVX5Kcku
Q5 学説が「ゴミ」でないとすると、具体的に、答案で学説をどう使うのでしょうか?
A5 令和元年司法試験論文憲法では、現実の悪意の法理を使った答案を書いてみましたので、ブログを参考にしてみてください。
令和元年司法試験論文憲法では、夕刊和歌山事件の規範への批判との関係で判例集の解説(や基本書等)に登場する、「現実の悪意の法理」を答案で活用することができました。ちなみに現実の悪意の法理を活用した答案例はこちら↓です
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年11月3日
令和元年司法試験論文憲法 解説速報(2)https://t.co/A2GiZiZ7d3 pic.twitter.com/MNOlm7RGc5
Q6 原告適格の書き方がイマイチ分かりません。模試や大学/ロースクールの定期試験などでも点数が伸びません。どうしたら…。
A6 原告の主張する不利益(利益)の特定の点が意外と重要です。ブログ(↓の過去のブログ)で紹介させていただいた小早川先生の3要件の流れで書くというのが1つの手だと思います。判例は必ずしもこの流れで書いていませんが、この流れで書く方が安定的に得点要素が拾えると考えられます。
Q7 要件裁量の認否ですが、どの年度(過去問)も、処分要件の文言が抽象的で、全部裁量を肯定してよいようにも思えてしまいます。模試でも迷うのですが、認否の決め手みたいなものはないのでしょうか?
A7 司法試験と「3要素説」との関係について、ブログにまとめておきましたので、参考になれば幸いです。
受験生から多く頂戴するご質問「行政裁量の論点で、効果裁量の認否は比較的分かりやすいが、要件裁量は迷う。司法試験論文行政法過去問の処分要件の文言は全部抽象的に見えるし、どれも肯定して良い気さえするが、何か決め手はないか?」
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2019年11月2日
回答「↓のブログで解説しました」
https://t.co/DGPsjeowjx
以上、本日は、司法試験受験のFAQを7つ紹介した。
タイトルを、【司法試験】よくあるご質問 & 回答①としたので、後日、「【司法試験】よくあるご質問 & 回答②」を掲載することとしたい。
*1:Mr.Children「I’ll be」同『DISCOVERY』(1999年)
*2:Mr.Children・前掲注 1