平 裕介(弁護士・公法研究者)のブログ

主に司法試験と予備試験の論文式試験(憲法・行政法)に関する感想を書いています。

2021-01-01から1年間の記事一覧

東京五輪“学徒動員”は憲法・行政法・国際条約の趣旨に反しないか? ――児童酷使の禁止・児童福祉法・児童の権利に関する条約等との関係の検討

「『子どもの権利は大事ですか』と言われて否定する人はそうそういないが、現実には、子どものためを思う大人が、子どもを危険にさらしている。一つ一つの行動をとらえて、『これは危険です』と具体的に指摘していくしかないだろう。」[1] ********…

札幌地判令和3年3月17日の感想(憲法・行政法の観点から)――「国民感情」vs「国民感情」の調整と、司法の本質

「三権のうち立法権と行政権は多数決原理が支配していますから、この二権しかなければ少数者は負けっぱなしです。そこで、そうした多数決の『暴力』から少数者の権利や自由を守るのが司法の役割・司法の本質といわれるものです」[1] ***********…

成仏 ~令和3年司法試験予備試験 論文 憲法・行政法の予想問題~

「問題の捉え方がそもそも間違っている。食べていけるかどうかを法律家が考えるというのが間違っているのである。何のために法律家を志したのか。(中略)飢え死にさえしなければ,人間,まずはそれでよいのではないか。その上で、人々から感謝されることが…

司法試験・予備試験関係のツイート 2021 まとめ(2)

「事例への適用を度外視した憲法学説は、少なくとも解釈学説ではない。……いくら車の設計図を眺めていても、さらにはそれを自分で書けるようになったとしても、車の運転が出来るようになるわけではない。……運転技術に相当する能力の修得が『法律学を学ぶ』と…

司法試験・予備試験関係のツイート 2021 まとめ(1)

「法律学の学習にあたっては,社会と法の密接な関係に注意を払う必要があります。法制度は,静態的な仕組みでは決してないのです。別のいい方をしますと,法律学の学習が進むことにより,社会をいっそうよく理解できるようになります。逆に,社会の変化など…