平裕介(弁護士・研究者)のプロフィール
プロフィールを公表するサイトを作成いたしました。
順次更新いたします。よろしくお願いいたします。
□弁護士(2008年(平成20年)登録・東京弁護士会)として,主に行政関係事件を取り扱っています。最近は、憲法問題を扱う訴訟にも力を入れてます。
■最近新聞に取り上げられた担当事件はこちらです↓)
https://www.asahi.com/articles/ASMDN62W4MDNULZU01N.html
□研究者として,行政法(公法)を専攻し,特に行政裁量の統制や行政不服審査に関して研究をしています。
http://researchmap.jp/7000001277/
http://kenkyu-web.cin.nihon-u.ac.jp/Profiles/98/0009750/profile.html
★ご相談・取材のご依頼、お問い合わせ等は、お名前・ご所属・ご連絡先を明記の上、次のメールアドレスに電子メールをお送りする方法でお願いします。
yusuke_taira●kym.biglobe.ne.jp
(お手数ですが、「●」の部分を「@」(アットマーク)に変えてください。)
■最近、取材等でコメントした記事や、新聞等ご掲載いただいた記事は、例えば、こちら↓です。
○あいちトリエンナーレ実行委員会が名古屋市を提訴。弁護士・平裕介に今後の展開を聞く
https://news.yahoo.co.jp/articles/6cfa2c20aa3696bba9c480146eb13535bde16fdf
○視標「緊急事態39県解除」 損失補償、必要な場合も あり得る「特別の犠牲」 弁護士・日大助教 平裕介(共同通信社の配信記事です)
https://www.sanyonews.jp/article/1012535
○「あいトリ」補助金不交付問題は県vs国の法廷闘争へ。今後の展開を行政法学者が解説
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/20747
○「自粛と給付はセットだろ」は法的に正しいのか? 弁護士・行政法研究者が解説
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21630
https://news.yahoo.co.jp/articles/19324191a931d0e88334291bcb8fa75043d58c8a
○コロナ休業には憲法に基づく補償を!行政法研究者に聞く(東京法律事務所blog)
http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1077354477.html
○過去に取材を受けた新聞社等はこちらです。主に行政法に関するニュースや事件に関するものでした。
→ 日経新聞、朝日新聞、共同通信社、日刊スポーツ、弁護士ドットコムニュース など
□略歴等:Yahoo!ニュース等で掲載(公表)されている略歴等です(若干加筆あり)↓。
①弁護士(2008年~/東京弁護士会/鈴木三郎法律事務所(中央区銀座))。
行政争訟、自治体からの法律相談等を多く担当する。
②中央大学法学部法律学科卒業。日本大学法学部助教(行政法専攻)。國學院大學法学部非常勤講師。
東京弁護士会憲法問題対策センター副委員長。日本公法学会会員。
③自治体の行政不服審査会の委員、建築審査会の専門調査委員、法律アドバイザー(公務員の方々からの行政法関係の法律相談に応じ法的助言等を行う)などを担当。
④主著は、「行政不服審査法活用のための『不当』性の基準」公法研究78号(2016年)239頁、
「行政不服審査における不当裁決の類型と不当性審査基準」行政法研究28号(2019年)167頁、
「新行審法と市民の権利救済」自治実務セミナー693号(2020年)17頁、
美術の窓(生活の友社)「視点」短期連載(2019年11月~2020年2月、4月、5~6月(7月号(同連載第8回)で完結予定)など。
⑤最近、書かせていただいた実務書(いずれも共著、主に弁護士・法律家向けのもの)は、
『法律家のための行政手続ハンドブック』(ぎょうせい、2019年)
『新・行政不服審査の実務』(三協法規出版、2019年)
『実務解説 行政訴訟』(勁草書房、2020年)
『行政事件実務体系』(民事法研究会、近刊(2020年))など。
⑥東京都青梅市出身。青梅市立今井小学校、青梅市立第三中学校、中央大学付属高等学校を卒業。
□憲法,行政法の社会問題や,司法試験や司法試験予備試験の論文式試験・公法系科目(憲法・行政法)などに関するブログ(はてなブログ)を書いています。
yusuketaira.hatenablog.com
□Twitterのアカウントは @YusukeTaira です。憲法・法律(主に行政法)に関する社会問題や司法試験・予備試験に関してつぶやくことが多いです。
□憲法(司法試験関係)については,次の記事を公表しています(ウェブで無料で読めるものです)。
「司法試験の関連判例を学習することの意義」法苑179号1~8頁(2016年)
↓新日本法規出版 eBOOKSTORE↓
http://ebook.e-hoki.com/item/bookdetail.html?id=102269
□学生時代は,伊藤真先生の伊藤塾(中央大学駅前校,山本有司先生のクラス)に通っていました。当時はまだ「伊藤真の司法試験塾」という名称でした。
□なお,私のはてなブログやTwitterでの表現は,私個人の意見,感想等を述べるものであり,私の所属団体,関連団体のそれとは一切関係のないものです。そのため,例えば,私のブログにおける「受験生」とは,このブログの不特定少数又は不特定多数の読者に司法試験や予備試験の受験生がいる場合のその受験生を意味し,特定の大学等の学生(司法試験受験生)をいうものではありません。このブログは,あくまで,私的な趣味として,私「個人」の感想等を書いているものです。
以上よろしくお願いいたします。
東京法律事務所の先生方からインタビューを受けました
このたび、東京法律事務所の弁護士・本田伊孝先生より、いわゆるコロナ休業には憲法に基づく補償が必要なのかという法的問題に関してインタビューを受けました。
Zoomによるインタビュー(4/21)で、東京法律事務所の先生方、職員の方々にもご参加いただきました。誠に有難うございます!
そして、その内容が公開されましたので、こちらのブログで(も)ご案内させていただきます。
○コロナ休業には憲法に基づく補償を!行政法研究者に聞く
http://blog.livedoor.jp/tokyolaw/archives/1077354477.html
ちなみに、関連するネット記事はこちらです。
ただし、2020年4月5日(緊急事態宣言発令前)の記事です。
○自粛と給付はセットだろ」は法的に正しいのか?
弁護士・行政法研究者が解説(美術手帖ウェブ版)
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21630
なお、関連する最近のツイートはこちら↓です。
4/21に東京法律事務所の弁護士・本田伊孝先生よりインタビューを受けました。Zoomによるインタビューで、東京法律事務所の先生方、職員の方々にもご参加いただきました。誠に有難うございます。
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年5月1日
東京法律事務所blog
「コロナ休業には憲法に基づく補償を!行政法研究者に聞く」https://t.co/V3p35LCY8Y
本当に痛ましい。十分な補償なき自粛要請の犠牲者ではないだろうか
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年5月2日
聖火ランナーのとんかつ店主、火災で死亡 生前は延期や新型コロナ影響を悲観 - 毎日新聞 https://t.co/abSHn5tat7
①一時的要請、刑事罰なし、②消極目的だから、損失補償不要という意見もある
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年5月2日
しかし、①が実質を見ない形式論なのかはこのニュースでよく分かる。実質的には規制であり規制は強いのだ
②も消極目的だけではく「国民経済の混乱を回避」する積極目的も併存する
本質をみようとしない法律論など絵空事
最後に、美術手帖ウェブ版にも掲載しましたが、このブログを初めてご覧になる方もいると思いますので、プロフィールを貼らせていただきます。
よろしくお願いいたします。
○プロフィール
平 裕介 たいら・ゆうすけ
弁護士(2008年~/東京弁護士会/鈴木三郎法律事務所(中央区銀座))。
行政争訟、自治体からの法律相談等を多く担当する。
中央大学法学部法律学科卒業。日本大学法学部助教(行政法専攻)。
國學院大學法学部非常勤講師。東京弁護士会憲法問題対策センター副委員長。日本公法学会会員。
主著は、「行政不服審査法活用のための『不当』性の基準」公法研究78号(2016年)239頁、「行政不服審査における不当裁決の類型と不当性審査基準」行政法研究28号(2019年)167頁、美術の窓(生活の友社)「視点」短期連載(2019年11月~2020年2月、4月、5~6月(予定))。
最近の実務書(いずれも共著)は、『法律家のための行政手続ハンドブック』(ぎょうせい、2019年)、『新・行政不服審査の実務』(三協法規出版、2019年)、『実務解説 行政訴訟』(勁草書房、2020年)、『行政事件実務体系』(民事法研究会、近刊(2020年))など。東京都青梅市出身。
Twitterアカウント:@YusukeTaira
【告知】大島 義則弁護士編著『実務解説 行政訴訟』(勁草書房、2020年)
★私は、第2章の執筆を担当させていただきました。
よろしくお願いいたします!
Amazon ベストセラー1位でした!
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年5月2日
有り難いです。私は第2章の執筆を担当させていただきました。よろしくお願いいたします。
実務解説 行政訴訟 (勁草法律実務シリーズ) 大島 義則 https://t.co/4zwyhjH1l0 @amazonJPから pic.twitter.com/2UsGCN5IyH
【記者、編集者の皆様へ】
最近、記者、編集者、雑誌等関係者の皆様から取材や記事執筆等のご依頼を頂戴することが多くなりました。有難うございます。
もし取材や記事執筆等のご依頼をご希望の場合、私のTwitter(下記)を記者、編集者、雑誌等関係者と分かるアカウントでフォローしていただければ相互フォローさせていただきますので、個別のメッセージにて、取材のご依頼や、執筆等のご依頼をしていただけますと幸いです。
なお、以上の論点に限りませんが、これまですでに多くの新聞社、通信社、雑誌の記者、編集者、関係者様から、取材のご依頼や、執筆等のご依頼を頂戴しています。
以上恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。
Twitterアカウント:@YusukeTaira
司法試験・予備試験関係のツイート まとめ(3)
「STAY
何を犠牲にしても守るべきものがあるとして」*1
********************
前回のブログと同じ趣旨の、第3段です。
司法試験・予備試験に直接関係するツイートだけをまとめてみましたので、各ツイート(ツリーのツイートを含む)を受験勉強の空き時間等にご笑覧ください。
よろしくお願いいたします。
1 憲法
○話題の香川県条例の最大のポイントは規制態様(そもそも規制といえるか)です。
子どものスマホやゲーム機利用の使用時間に関する規定を設けたことが話題の香川県の条例案に関し、「規制」という語が使われることが多い。しかし、法的な規制といえるか、あるいは過度の規制といえるかは、微妙だろう。平成20年新司法試験論文憲法のフィルタリング規制法よりも制約態様は弱いのでは?
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年1月27日
平成20年新司論文(憲法)出題趣旨1頁
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年1月27日
「青少年保護育成条例…判決とは,重要な事案の違いもある。…18歳以上の者は『解除ソフト』によって規制される情報を見ることができる……また…サイトを削除するものではない。……『自己の権利が,直接,現在』侵害されている場合に…法律の違憲を主張…できる」
香川県の条例案が「『自己の権利が,直接,現在』侵害されている場合」(平成20年新司論文(憲法)出題趣旨1頁)といえるためには、そしてさらに過度の規制だなどというためには、それなりの説明が必要ではないかと思われる。この説明を省いて過剰「規制」だなんだと言っても法律論としては説得力を欠く
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年1月27日
○包装容器リサイクル法(レジ袋有料化義務付け法)と29条。マツキヨのレジ袋とか、2020年4月から有料ですよね。
この法律なんかも、憲法29条違反が問題になりそうです
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月2日
改正包装容器リサイクル法(案)(レジ袋有料化義務付け法(案))の合憲性についての予想論点は、①営業の自由、②財産権侵害、③損失補償、④平等原則(平等権)
レジ袋有料化「来年4月に」https://t.co/PGu0HrsaCY
ちなみに、海外では同種の法律や憲法判例があります↓
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月2日
「同国〔=チリ〕のプラスチック産業協会(Asipla)が違憲だとして憲法裁判所に提訴したが、憲法裁は法案は有効だとする判断を下していた」
チリ、プラスチック袋使用禁止法を公布 南米初 (2018年8月5日 AFP)https://t.co/Y5R5h8YtZL
2 行政法
○取消訴訟の処分性と判例変更について。ヤマなので一度は考えておきましょう。
令和2年司法試験では処分性がヤマですが、最判平成7年3月23日(百選判例)とは逆の結論をとった高松高判平成25年5月30日は要注意!
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月18日
公共施設の管理者の同意の処分性について論じた答案例はこちらです↓
もしも司法試験論文行政法で判例変更を狙う主張を論じさせる問題が出たらhttps://t.co/rMDuRp0eOh
○常識的に考えて、実質的当事者訴訟はそろそろ出ますよ。
司法試験受験生「実質的当事者訴訟の確認訴訟が出そうで怖いです」
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月22日
回答「怖がることはありません。最低限次の論証3要件を書き当てはめてください」
【論パ】確認訴訟の訴訟要件である確認の利益は、①確認対象選択の適切性、②方法選択の適切性、③即時確定の現実的必要性により判断すべきである。
○行政処分の取消しと撤回の処理と違い、念のため、最終確認を。
○行政処分の取消しの処理まとめ
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月18日
①処分の要件(裁量ありなら裁量権逸脱濫用(※))の検討
②処分の効果(※と同じ)の検討
③相手方に利益を与える処分の場合、取消しの公益性と相手方の信頼の要保護性の程度を考慮し、取消しが制限されないか検討←信頼保護原則
平成23年司法試験出題趣旨3頁等参照
行政処分の取消しと、行政処分の撤回の処理ですが、要するに、③の点の違いを押さえておいていただきたいということです
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月18日
細かく感じるでしょうが、ヤマということもあり、仕方ないところかと思います。↓の定番テキスト(司法試験受験生の約50%がメインテキストとしているとの情報も)だと48~49頁です https://t.co/NuZVTfEDtE pic.twitter.com/oqi0A9Azq2
○規制権限不行使(不作為)の違法性は、国賠だけではなく非申請型義務付け訴訟でも重要です。
ちなみに規制権限不行使(効果裁量の権逸脱濫用)は、国家賠償は出ていないが、近いところでいうと平成29年司法試験論文行政法(非申請型義務付け訴訟)で出ている
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月18日
平成29年の出題趣旨の読み方は難しい。なぜ考慮事項着目型の判断過程審査によったかだが、問題文で判断過程が明示されているからだろう
3 その他
○途中答案対策は本当にとても重要です。万全の対策を!
司法試験受験生「現場の最前線で頑張って答案書いたので合格ですよね?」
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月20日
考査委員「例年のように,途中答案が
相当数あったほか,一応最後まで書いている答案も…配点に相応しい分量になっていないものが多かった」
H27採点実感憲法5(1)
→不合格。現場とか頑張ったとかそんなの無関係。by法務省
以上、受験生の皆様にとって少しでも参考になれば幸いです。
*1:Mr.Children「Everything(It's you)」『BOLERO』(TOY’S FACTORY、1997年)。ただし、今、守るべきは、Stay Homeである。
司法試験・予備試験関係のツイート まとめ(2)
「何が起きても変じゃない
そんな時代さ覚悟はできてる」*1
********************
前回のブログと同じ趣旨の、第2段です。
司法試験・予備試験に直接関係するツイートだけをまとめてみましたので、受験勉強の空き時間等にご笑覧ください。
よろしくお願いいたします。
1 憲法
○予想される出題形式に関して
令和2年司法試験論文憲法でも、架空の法案か条例案が出題され「法律家」としての解答が求められることが予想される
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月25日
「法曹」でも「弁護士」でも「訴訟代理人」でも「裁判官」でも「検察官」でも「研究者」でもなく、「法律家」である
「法律家」の意味は↓でご確認下さい
https://t.co/U3paHRksrB
○規制態様(の強さ)関係。審査基準の理由付けで必須
憲法論文で毎年聞かれるような論点だが、内容規制と内容中立規制の二分論の3つの根拠を再確認しよう
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月4日
考査委員の宍戸常寿先生の『憲法 解釈論の応用と展開 第2版 』(日本評論社、2014)136頁に書いてある。司法試験では法文上は内容規制のように見えて内容中立規制かどうかを検討させる問題がよく出る
○違憲審査基準の目的審査のポイント
司法試験受験生「違憲審査基準の目的審査の当てはめが上手く書けません。どうすれば…」
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月3日
回答「特に考査委員主査変更後(平成28年以降)は、採点実感や再現答案等に照らすと、目的審査の配点がやや上がったと思います。↓の本の第2章〔横大道聡先生〕3『目的審査における目的とは?』がおすすめです」 pic.twitter.com/0Lsn6HfwNy
○違憲審査基準(中間審査基準)の手段審査のポイント
司法試験受験生「中間審査基準の手段審査の実質的関連性のあてはめの要点は?」
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月3日
回答「①規制手段が規制目的実現のために役立たないものか
②役立つとしてもより緩やかな規制手段(LRA)があるか(←より強い規制を必要とする立法事実の不存在)
③LRAによる規制目的達成が事実により裏付けられているか」
○国家の基本権保護義務に関して (目的審査、手段審査の両方で書ける場合あり)
平成18年新司法試験論文式試験(憲法)では「健康の危害への警告は国家の任務に属すること」についての検討が求められた(出題趣旨2頁)。憲法前文には「日本国民は……われらの安全と生存を保持しようと決意」とある。
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月30日
令和3年司法試験の問題が透けて見えるようなニュースhttps://t.co/NZzmELb4By
ちなみに小山剛先生(令和2年司法試験考査委員)のテキストには、国家の基本権保護義務(被害者の基本的法益を加害者の侵害から保護する義務)についての比較的詳しい説明があります(作法3版129頁以下)。日本の憲法学では十分浸透していないが、独や欧人権裁判所では確立した判例法理とのこと(同130頁) pic.twitter.com/Mbcbt6eHgz
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月30日
○毎年危ない表現の自由関係。京大タテカン問題もあるので、屋外広告物条例事件は要精読
「屋外広告物条例」違反で逮捕、とのことですが、ビラ貼り禁止規定の合憲性が争われた大阪市屋外広告物条例事件(憲法判例百選7版55事件)は、令和2年司法試験論文憲法で活用すべきヤマ判例の1つ。大分県条例事件の方(56事件)も重要!
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月21日
新型ウイルス 中国人ひぼうのビラ電柱に https://t.co/WQN0ytrr1a
○選挙権関係は平成22年以降出題なし。本当に危険です。
選挙権(平成22年に一度出題)は令和2年司法試験論文憲法のヤマ
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月14日
選挙供託金訴訟(東京地判令和元年5月24日)は、在外国民選挙権訴訟最大判の厳格な審査基準を採らない合憲判決。法セミ2020年5月号120頁で柴田尭史先生が解説されています
過去問(H22)の答案例は↓のブログで
https://t.co/vTdKKfIar9 pic.twitter.com/ey1GpfEw3d
○信教の自由も潰しておこう。ちなみに、令和元年予備論文に活用する剣道実技拒否事件の検討は、判断過程審査の答案対策にもなります。
司法試験受験生「信教の自由って令和元年予備試験論文憲法で出たので今年(令和2年)は司法試験論文は出ないってことですよね?」
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月25日
回答「司法試験をなめてはいけません。信教の自由と政教分離は今年もちゃんと潰そう」
新型肺炎終息へ特別祈願 春日大社、新型インフル以来
https://t.co/aAjJIYcoRv
○令和2年司法試験論文は三段階審査「外し」かも…
令和2年司法試験考査委員会議(憲法)の予想
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月14日
A「保障、制約、正当化流れで書く答案、増えましたね」
B「何だかパターン化してますので、今年は制約の部分をひねって予備校が対応できないようにしましょう」
C「令和元年予備試験の論文のように…ですか?」
D「今回は司法試験でもそれでいきましょう」
入管法は、平成19年新司法試験論文行政法で出題。令和2年で出ると13年ぶり2回目。今回は、在留特別許可処分の非申請型義務付け訴訟(申請型は検討不要との誘導あるか)の訴訟要件、そして実体的違法事由が危険
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月18日
アフリカの17歳少女に在留許可 「退去強制は将来閉ざす」と地裁https://t.co/Ifn3oAHrve
出入国管理及び難民認定法(入管法)改正による外国人の新在留制度が2019(平成31)年4月にスタートしました。入管法は令和2年司法試験論文行政法のヤマ個別法です
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年2月18日
対策は、①平成19年新司と②北村和生先生(考査委員)ほか編・事例研究行政法3版427頁(問題17,横田光平先生)を潰すことです
○個別法予想その2(旅券法)
①有効期限5年の一般旅券の発給を申請したか、②10年のそれだったかで結論が異なる可能性もありそう。憲法違反はともかく、旅券法13条1項1号での拒否なので、①だと同項柱書に係る違法(裁量権逸脱濫用)の可能性もあるかと…
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年1月13日
「旅券発給拒否は憲法違反」安田純平さんが国を提訴https://t.co/h1myu6eBk4
この安田純平さんの旅券発給拒否処分の違法性の問題については、東京地判平成29年2月22日が参考になります
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年1月13日
本判決の裁判長は古田孝夫裁判官であり、元司法試験考査委員(平成30年、行政法)です。後輩の東京地裁判事で令和2年司法試験考査委員(行政法)の3名も、所内の勉強会等で検討した可能性も…
安田さんは
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年1月18日
①一般旅券発給拒否処分の取消し
②ー1(主位的請求)一般旅券発給の義務付け
②ー2(予備的請求)一般旅券(トルコを除く)発給の義務付け
を求めたようですね。取材に感謝
安田純平さんの奇策、外務省を追い詰める―パスポート発給拒否の法的根拠が崩壊(志葉玲) https://t.co/Qf4Ev0k35P
○住民訴訟関係。平成22年に出ていますので(憲法では平成24年に出題)、そろそろ危ないです
話題の香川県条例の件、条例20条に県が子どものネット・ゲーム依存症対策に関する実態調査を行うとあるので、①この調査費用に係る行政文書の情報公開請求→②住民監査請求→③住民訴訟提起(地方自治法242条の2第1項4号、損害賠償請求)で、③で憲法違反を争うのが最短ですかねhttps://t.co/5C0iypISYc
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月19日
3 その他
○答練の答案への添削コメント(答案練習会の復習)に関して
司法試験や予備試験の論文答練等で添削コメントが不当である場合も少しはあるだろう
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月16日
しかし、自分の答案の記述が基本書や論文等を不適切に短くするなどしたものだと、特にその記述が最新の見解や少数説等の場合には、添削(採点)者から「論理が飛んでいる」などとマイナス評価を受けるリスクがある(続)
そのため、一見、不当な添削コメントに見えても、自分で検証することが、合格するためには無難だろう
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月16日
主な検証方法は次の3つ
①再度基本書等の資料を見返す
②第三者(できれば合格者が良いが他の受験生等)に読んでもらう
③過去問で出た論点ならば上位再現答案等で要約の仕方を見て異同を確認する
○司法試験考査委員は「試験」についてどう考えているのか
司法試験考査委員「『試験』に関連したことを書いてみよう。……皆さんの間では,どうやって答案を書けばよいのか……あるいはどのような答案が評価されるのかという疑問が強いようだ」(宍戸常寿「答えるということ」法学教室475(2020年4月)号1頁)
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年3月26日
当職(書店にて)「え待って。この法学教室ください」 pic.twitter.com/9kgGLSJX4M
以上、少しでも参考になれば幸いです。
よろしくお願いいたします。
*1:Mr.Children「【es】~Theme of es~」『BOLERO』(TOY’S FACTORY、1997年)
司法試験・予備試験関係のツイート まとめ(1)
「もういいや もういいや 疲れ果ててちまった
そう言って そう言って ここまで来たじゃないか」*1
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最近感じたことですが・・・↓
受験生的には、私の司法試験・予備試験に関係ない(一見そう見える)ツイートは「ノイズ」等と言われていて(何もそこまで言わなくても…)読み飛ばしたいというニーズもあるようです。例えばブログで、司法試験・予備試験に関係ある最近のツイートをまとめたものをアップすれば、多少解決されますかね
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月12日
ということで、試験に直接関係するツイートだけ見たいという受験生向けに、ここ数日間の司法試験・予備試験に直接関係するツイートをまとめてみました。
受験生の皆様において以下の各ツイートとツリーをご覧いただけますと幸いです。
閲覧者が一定数いらっしゃるようであれば、今後も続けていきたいと思います。
1 憲法関係
「ホームレス用に作られた臨時のシェルター」とありますが、司法試験でもこのような「シェルター」(収容人数100人)が登場したことがあります
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月11日
平成22年新司論文憲法。生存権、選挙権等の問題。令和2年もヤマですね!
マレーシア、移動制限を4月28日まで延長 新型コロナ対策でhttps://t.co/zmn5TofQzd
○審査基準の選択に関する人権「制約の本来的可能性」等関係 (青柳幸一『憲法』(尚学社、2015年)87頁)
論点整理に有益
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月10日
司法試験受験生も必読の記事
木村先生は、規制の科学的根拠を強調されますが、どの程度の科学的根拠が必要か(憲法領域への予防原則の応用等)は今後の検討課題だと思います
「政府をリアルタイムで批判すべき」緊急事態と法律、憲法学者の木村草太さんに聞くhttps://t.co/3sW93jIw1q
○「中間審査基準」関係
受験新報最新号(2020年5月号)の巻頭言(1頁)は、元司法試験考査委員の尾形健先生! タイトルは「法律家のなるということ」
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月8日
その書き出しが「違憲審査基準定立の際,『とりあえず中間審査基準!』答案を書き上げる方は少なくないのではないだろうか。」
お……俺ガイル…… pic.twitter.com/iZnBDG0WLe
2 行政法関係
○差止訴訟、無名抗告訴訟(義務不存在確認訴訟)、実質的当事者訴訟関係
平成27年司法試験論文行政法では、差止訴訟が出たため、令和2年でも周期的に出る可能性が高いのですが、少しひねって、↓の行政法7事件(最一小判令和元年7月22日)を意識した事例かも…
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月7日
①差止訴訟、②無名抗告訴訟としての義務不存在確認訴訟、③当事者訴訟の関係は↓重判の45頁(髙木光先生解説)で pic.twitter.com/jfz6g7iodS
○国家賠償法関係
司法試験論文行政法過去問では損失補償は出ても国賠は出ない「安全神話」は令和2年に崩壊すると予想します
— 平 裕介 (@YusukeTaira) 2020年4月10日
↓の書籍(第4版は2019年、司法試験考査委員・山田洋先生の執筆部分)で、わざわざ加筆された項目があります
国賠法1条1項の違法性に関する
「職務行為基準説の射程」375ー6頁 pic.twitter.com/20VOhVCKRK
新型コロナウィルスの影響で、受験生の皆様は本当に大変な状況であり、受験生ではない私にはその大変さは到底想像できませんが、適宜リスケをしつつ、日々の勉強を頑張っていただければと思います。
上記各ツイートが少しでも参考になれば幸甚です。
よろしくお願いいたします!
*1:Mr.Children「雨のち晴れ」『Atomic Heart』(TOY’S FACTORY、1994年)
「自粛と給付はセットだろ」は法的に正しいのか?
僕らは思っていた以上に
脆くて 小さくて 弱い
でも風に揺れる稲穂のように
柔らかく たくましく 強い*1
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本日(2020年4月5日(日))、美術手帖さんのウェブサイトに、「自粛と給付はセットだろ」を法的に検討する拙稿を掲載していただきました。
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21630
(以下冒頭部分を引用)
「自粛と給付はセットだろ」は法的に正しいのか? 弁護士・行政法研究者が解説
政府や自治体による大規模イベント等の中止・延期等の要請や「不急不要」の外出自粛要請、そのような自粛を呼びかける報道等により、美術・演劇・音楽等、文化芸術活動を行うアーティストや関係者らがイベント中止等により損失を受けている。こうした損失は、法的に補償されるものなのか? 「自粛と給付」はセットかという問題について、文化芸術活動への助成に関する訴訟にも携わっている弁護士兼行政法研究者が解説する。
文=平裕介(弁護士・行政法研究者)
(引用終わり)
「自粛と給付」すなわち自粛要請と【1】損失補償・【2】国家賠償はセットなのか?という問題提起をし、【1】・【2】のいずれについても、場合によっては認められる余地がある、と結論付ける内容となっています。
ウェブ版「美術手帖」の橋爪勇介編集長には大変お世話になりました。
ちなみに、こちらの拙稿は、ヤフーニュースでも取り上げていただきました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200405-00000004-btecho-cul
ヤフーニュースですと一部しか見られない(注釈部分は見られない)ようなので、美術手帖さんのサイトで注釈部分をご確認ください。
なお、以前も、美術手帖さんのサイトに、↓の、あいちトリエンナーレ2019補助金不交付問題を法的に検討する小論をご掲載いただきました(同じくヤフーニュースでも取り上げて頂きました、同様にヤフーニュースでは全文は見られないようなので、美術手帖さんのサイトで全文をご確認ください)。
「あいトリ」補助金不交付問題は県vs国の法廷闘争へ。今後の展開を行政法学者が解説
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/20747
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191019-00000004-btecho-cul
それぞれ、やや長文になってしまっていますが、お時間がありましたら、一部だけでもご笑覧いただけますと幸いです。
司法試験受験生・予備試験受験生の皆様の学習材料(普段の勉強と日常のニュースを架橋するもの)にもなるのではと思いますので、脚注部分も含め、ご一読いただけますと幸いです。
なお、あいちトリエンナーレそれ自体の話ではないのですが、関連する法的問題として、以下の記事も参考になるかと思います。
芸術文化振興会を提訴。映画『宮本から君へ』助成金不交付で
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/21096
それぞれ、今後の大学の授業(日程は延期されています)や講演などでも(まだ何とも言えませんが、ウェブでの授業等の可能性も出てきたように思いますが…)これらの記事の内容を適宜紹介できればいいなと考えています。
学部生(特に法学部生)の皆様も、ぜひ憲法や(拙稿に書かれている)行政法の条文を見ながら、お読みいただきたく存じます。
よろしくお願いいたします!
*1:Mr.Children「かぞえうた」『[(an imitation)blood orange]』(トイズファクトリー、2012年)
マスク転売禁止措置は国民生活安定緊急措置法の物価高騰要件を本当に満たしているのか?「法治主義違反」と言われるおそれもあるが、検察官は「逃げ」ずに戦うのか?
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1 マスク転売禁止が本日開始 政府の説明は…
マスク転売禁止スタート ネット販売、業界も対策
2020年(令和2年)3月15日 共同通信
https://www.47news.jp/4614686.html
(以下記事を引用)
新型コロナウイルスの感染拡大で極度の品薄に陥っているマスクの転売禁止が15日始まった。不足に拍車を掛けている転売目的の買い占めを排除するため、政府は罰則付きで監視を強める。転売の温床となっていたインターネットを通じた販売も業界各社が相次ぎ自主規制に乗り出し、官民で流通の適正化を目指す。
政府は転売禁止に向け、第1次石油危機時に制定した国民生活安定緊急措置法を持ち出した。10日に同法の政令改正を閣議決定し、15日午前0時以降、仕入れ価格を超えた他人への販売を取り締まれるようにした。違反すれば1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方を科す。
(以上引用終わり)
政府は、2020(令和2)年3月10日、「国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令」の閣議決定を行った。
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200310002/20200310002.html
政府としては、上記経済産業省のウェブサイトで「国民生活緊急措置法(以下、「法」という。)第26条第1項では、生活関連物資等の供給が著しく不足するなど国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じるおそれがあると認められるときは、当該生活関連物資等を政令で指定し、譲渡の禁止などに関し必要な事項を定めることができる旨が規定されています。」と関係法律の条文を摘示した上で、「本政令は、法の規定に基づき、衛生マスクを不特定の相手方に対し売り渡す者から購入した衛生マスクの譲渡を禁止する等の必要があるため、必要な措置を講ずるものです。」と説明している。
政府は、内閣だけで行える政令の改正(公布は同月11日、施行は同月15日)によって、法律を改正することなく、措置を講じたのである。
多くの市民にとっては歓迎すべき措置であると思われ、一見、問題なさそうな説明をしているようにも見えるが、本当にそうだろうか?
実は、そうでもなさそうである。
このウェブサイトには、政府があえて引用しなかったともみられる条文の要件がある。
「物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において」の要件である。
政府(経産省)は、なぜ、上記要件を引用しなかったのか?
説明が長くなるから、というわけでもなさそうである。以下、問題となる条文を含む関係条文を見てみよう。
2 国民生活安定緊急措置法と同法26条1項の第1要件
さて、国民生活安定緊急措置法(昭和48年法律第121号)(以下「法」と省略する場合がある。) の関係条文を以下引用する。下線や太字による強調,〔①〕~〔④〕の記載は筆者によるものである。
(目的)
第1条 この法律は、物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定め、もつて国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保することを目的とする。
(標準価格の決定等)
第3条 物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、国民生活との関連性が高い物資又は国民経済上重要な物資(以下「生活関連物資等」という。)の価格が著しく上昇し又は上昇するおそれがあるときは、政令で、当該生活関連物資等を特に価格の安定を図るべき物資として指定することができる。
2 前項に規定する事態が消滅したと認められる場合には、同項の規定による指定は、解除されるものとする。
(割当て又は配給等)
第26条 〔①〕物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、〔②〕生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、〔③〕その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、〔④〕国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときは、別に法律の定めがある場合を除き、当該生活関連物資等を政令で指定し、政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。
2 (略)
(罰則)
第37条 第26条第1項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。
今回のマスク転売禁止措置との関係で、問題となるのは、法26条1項である。
それでは、上記1のとおり、政府(経産省)がウェブサイトで言及しなかった(その意味で気になる)同項の①の要件(第1要件)について少し詳しく見てみよう。
3 「物価が著しく高騰し又は高騰するおそれ」(法26条1項)の解釈
法26条1項の第1要件である物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において」の解釈については、国民生活安定緊急措置法の立法過程に関わった当時の経済企画庁物価局物価政策課長(垣水孝一氏)編著の『国民生活安定緊急措置法の解説』(経済企画協会、昭和49年)(以下「経済企画庁解説」という。)が参考になる。
経済企画庁解説によると、法26条1項の第1要件については、それほど詳しい解説がない(127頁)が、同様に物価要件について定めた法3条1項(ただし,「著しい」という要件が規定されていない点は法26条1項と異なる。)については、ある程度詳しい解説がある。
法3条1項は、「物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合」という物価要件を規定しており、経済企画庁解説56頁は、この物価要件につき、次の通り解説している。
「物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合とは、卸売物価、消費者物価等を総合した一般的物価水準が、過去のすう勢値を大幅に上回って上昇し又は上昇するおそれがある場合をいう、しかしながら、具体的な数値基準とすて示すことは難しく、物価要件に該当するか否かは、その時点における経済情勢等を勘案して判断することになる。
なお、高騰するおそれがある場合とは、現実に物価が高騰するに至っていない場合においても、例えば、輸入依存度の高い物資の輸入による供給が著しく阻害され、これが国内物価を高騰させるおそれがあるような状態等が該当する。」(下線は筆者)
このような法3条1項の物価要件の解釈と同様に考えるのであれば、法26条1項の物価要件については、「著しい」という要件が加重されていることから、単に「大幅に上昇」というだけでは足りず、卸売物価、消費者物価等を総合した一般的物価水準が、過去のすう勢値を著しく大幅に上回って上昇し又は著しく上昇するおそれがある場合をいうものと解すべきであろう。
ちなみに、法3条が「物価」と「国民生活との関連性が高い物資又は国民経済上重要な物資…の価格」(生活関連物資等の価格)とを書き分けていることからも明らかなとおり、法26条1項の物価要件の「物価」とは、個々の物資(例えば、今回の政令で言うと、マスク)の価格を指すものではない。
なお、この物価要件について、行政裁量(要件裁量)が認められるかどうかという問題があるが、(あ)法37条の罰則規定の要件でもあること、(い)法26条の物価要件(第1要件)には、④の要件(第4要件)のように「と認める」という文言もないこと、(う)財産権(憲法29条1項)や営業の自由(憲法22条1項)の規制に係るものであることから、要件裁量は認められないものと考えられる。
つまり、法26条1項の物価要件については、要件裁量が認められる要件に比べて厳格に解釈適用しなければならないということであり、さらに、罪刑法定主義の要請からも、より厳格に解釈適用されるべき要件であるといえる。
ちなみに、この行政法の論点(要件裁量の有無・認否)は司法試験論文式試験(行政法)で殆ど毎年出題されている論点である。とくに理解が怪しい受験生各位は、さしあたり以下のブログを参考にされてはどうだろうか。
4 「物価が著しく高騰し又は高騰するおそれ」(法26条1項)の当てはめ
それでは、今回のマスク転売禁止のための政令改正(本日施行)は、「物価が著しく高騰し又は高騰するおそれ」(法26条1項)の要件を満たすものであったのか?
上記3のとおり、法26条1項の物価要件(第1要件)は、(A)卸売物価、(B)消費者物価等を総合した(C)一般的物価水準が、過去のすう勢値を著しく大幅に上回って上昇し又は著しく上昇するおそれがある場合をいうものと解されるところ、これまで政府から(A)~(C)についての詳しい説明はなされていないように思われる。
以上に述べたとおり厳格に解釈適用(運用)されるべき法律の要件であることに加え、政府の説明責任の原則や知る権利(憲法21条1項参照)との関係でも、(A)~(C)について、もっと詳しい説明が市民に対してなされるべきであろう。
また、経済企画庁解説56頁には、「高騰するおそれがある場合とは、現実に物価が高騰するに至っていない場合においても、例えば、輸入依存度の高い物資の輸入による供給が著しく阻害され、これが国内物価を高騰させるおそれがあるような状態等が該当する」との説明がある。
現時点で、物価が高騰しているとはいえず、ましてや著しく高騰している状態にあるとはえない(マスクの価格単体で考えてはならないことは以上に述べたとおり)。
そして、物価が著しく高騰していない現状(2020年(令和2年)3月15日現在)において、輸入依存度の高い物資であるマスク(とりあえずマスクがこれに当たるとしよう。)の輸入による供給が著しく阻害され、これが国内物価(繰り返すが、マスクの価格ではない)を著しく高騰させるおそれがあるような状態が認められるだろうか?
おそらく、認められると説明することは難しいのではないかと思われる。
ちなみに、第一次オイルショック当時(1973年(昭和48年))のデータが以下のサイトに掲載されており(ただし函館市のもの)、興味深い。
(なお、筆者はこの当時は生まれていないので、この頃の社会情勢や混乱を知らない。)
醤油(1.8kgor2kg)、味噌(1kg)、砂糖(1kg)、コーヒー(1杯)、灯油(18リットル)、洗濯代(ワイシャツ)、理髪代(大人1回)、洗濯用洗剤(2,65kg)及びちり紙(800枚)の月別物価推移(昭和48年6月~昭和49年3月)の一覧表が参考になる。
函館市史デジタル版
オイルショックと狂乱物価 消費社会、モノ不足の幻影 P860-P864
http://archives.c.fun.ac.jp/hakodateshishi/tsuusetsu_04/shishi_07-03/shishi_07-03-52.htm
(以下引用)
石油の削減でもろに影響を受けた運輸業、ふろ屋やクリーニング店、水産加工場など市民生活に関わりの深い業種への打撃は大きかった(昭和48年12月26日付け「道新」)。そうしたなか五月雨(さみだれ)式の値上げがあいついだ。クリーニング店は洗剤や包装用資材の値上がりを根拠にワイシャツ洗濯代を1.5倍にした。便乗値上げとの批判もあったが、背に腹は代えられないといったところであった。散髪・パーマ代も5割の値上がり、喫茶店もコーヒー豆の3割値上げや人件費の高騰などを理由に、1杯のコーヒーを150円前後から180ないし200円へと値上げしたから、気軽にコーヒーも飲めなくなったと多くのサラリーマンがこぼしたという(表参照)。
(以上引用終わり)
コーヒー(1杯)は、130円(1973年6月)から1年半で200円(1974年12月)になっているが、今でいえば、ドトールのコーヒー(Mサイズ)275円が2021年9月には420円くらいになるというイメージだろうか。
このように、国民生活安定緊急措置法(昭和48年法律第121号)が成立した当時の第一次オイルショックの頃の情勢と今日の情勢とを比較してみても、法26条1項の物価要件の認定は困難ではないかと思われる。
5 検察官への職務への影響は? 再び「検察官逃げた」と言われるおそれも…
現実に今回の政令改正によって、法37条の罰則を現実に適用する場合、当然ながら、法26条1項の物価要件の認否について、刑事事件(刑事訴訟)の中で、争われることになるだろう。
刑事事件(公訴提起)まで至らなくても、捜査の段階でも、被疑者から上記のような反論(法26条1項の物価要件を満たさないとの反論)をされることが予想される。
今回の政令改正の問題点は、法26条1項の物価要件が認められかどうかが非常に微妙であるにもかかわらず、この要件の検討を十分にせず、政令改正(内閣)だけによって対処しようとしたことであり、本来は法律を改正すべきであったのである。
マスク転売禁止のための法律改正(法26条1項の物価要件等の緩和)であれば野党も特に反対しなかっただろう。
このような問題を引き起こした根本的な原因は、現政府が法治主義を無視・軽視していることにあると考えられる。
閣議決定や政令(内閣の判断)だけで法律の内容を捻じ曲げるという行為、すなわち「法解釈」と現政府が称する本来法解釈と呼ぶに値しない行為によって、近代国家の大前提である法治主義(法律による行政の原理)を破壊する行為である。
最近話題になっている黒川東京高検検事長の勤務(定年)延長問題は、法治主義(ここでは検察庁法・国家公務員法を行政が守ること)の破壊行為の典型といえよう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200309/k10012321971000.html
今回、26条1項の物価要件の検討を十分にせず、政令改正だけで済ませてしまったことにより、現場(検察や警察の職務)への影響が出てくることが予想される。
内閣の面々が法治主義を軽視すると、現場に影響が出るわけである。現場は大迷惑であろう。
法務大臣により、積極的な捜査・公判から「検察官が逃げた」と言われる日もくるかもしれない。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56720180S0A310C2PP8000/
なぜなら、歴史は繰り返すからである。
*1:Mr.Children「I'll be」『DISCOVERY』(TOY'S FACTORY、1999年)