平 裕介(弁護士・公法研究者)のブログ

主に司法試験と予備試験の論文式試験(憲法・行政法)に関する感想を書いています。

単語カードを使った司法試験の勉強法

「切り札を隠し持っているように思わせてるカードは

 実際は何の効力もない

 だけど捨てないで持ってれば

 何かの意味を持つ可能性はなくない」*1

 

 

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今日は、カードを使った司法試験(予備試験)の勉強方法について書きます。

  

↓は、無印良品の単語カード(1個100枚)。

値段は当時1個100円以下(70円前後?)だったと思います。

 

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情報を整理する教材として、伊藤塾短答式試験用の教材や、論文の答案集に論証パターンなどを入れ込んだファイル(B5サイズ・26穴)を使っていましたが、キーワードは1回は書いて覚えるということが昔から多かったこと(→どうせならカードにしようと思い立ったこと)や、記憶の定着が比較的良かった(自分には合っていた)こと、カードだといつでもどこでも気軽に持ち歩ける(→隙間時間を有効活用しやすい)ことなどから、カードも作っていました。

 

↓こちらがそのカードたち。

やや作りすぎた感がありますが・・・。

 

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分厚いものになると、リングを大きいものに変えていました。

リング自体も安かったと思います。コンビニにはなかったので文房具屋で買いましたが。

↓は特に分厚いものですね(250枚くらい・・・?)。

 

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カードの内容ですが、1問1答式で、主に規範、趣旨、定義のキーワード(文章にしていないことが多い)を書いていました。

 

例えば、カードの表面には「条例の法律適合性(憲94)のキ」(「キ」は規範の略)などと書いておき、

そのカードの裏面には、「対象事項・規定文言、趣旨・目的・内容・効果、徳島市公安条例ジケン」などと書いておくような感じです。

 

論文用では、原則として、絶対に落とせないキーワードだけを書いていました。

短答用だと、条文知識の(適宜条文ナンバー)キーワードも書いていましたね。

 

判例の事案や、論点の典型事例(適宜、その関連条文で問題となる文言)のキーワードなども書いて記憶していましたね。

 

 

このように最低限書かなければならない論文のキーワードや、短答のアシの知識であっても、私の場合、模試でド忘れしたり書くべき論点を書けなかったり・・・ということが少なくなかったので、この自分自身の弱点を克服すべく、また上に書いたような理由などから、単語カードを使って極力精度が高くなる記憶作業をしました。

 

ド忘れなどで論証やキーワードが書けないということがかなり減ったことも良かったのですが、それ以上に良かったのは、アウトプットのスピードが短答・論文ともにかなり高くなったということでした。

 

 

司法試験は↓のブログのとおり、早押しクイズのような面があると思われますので、特に論文式試験ではアウトプットの速さは(事務処理能力が高くないの人にはとりわけ)重要です。

 

yusuketaira.hatenablog.com

 

ちなみに、(ポケットにいれるのは基本的には1~2個なので他のものを)鞄の中に入れると小さくて見つからなかったり、最悪の場合無くなってしまったりしたこともあったので、↓のようなケースに入れていました。基本的には科目ごとに表紙の色がありました。

 

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確か、3回くらいやって、(その時は)完璧に覚えたな・自分の中でほぼ常識化したなと思ったものについては、捨てるわけではなく、別のリングのカード集に移して取っていました(科目ごとに、2軍用のカード集みたいなのが別にありました。模試直前などに2軍用を回すこともありました)。

 

カードの順番は、大体ですが、基本書などの体系順になっていた気がしますが、あまりこだわらないようにしていましたカードを作ることが自己目的化しないようにしようと注意していたからです。

 

 

 ちなみに、講義・授業や予備校の講座などで特に重要だと思った知識やノウハウも、適宜カード化していました。こうすることで、知識の要約ができ、論文であれば答案に書ける・使えるレベルの知識に再構成することができた気がします。

 

 

無印のカードが良かったのは、コンビニ(ファミマ)にも置いてあって入手しやすかったのと、当時は透明・プラスチックの表紙のものがあって、科目やカードの番号などが見やすかった点です。

 

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ということで、結構古典的な勉強法ですし、スマホの単語カードアプリなども悪くないとは思いますが、どうも自分は記憶が定着しにくい(他の受験生の書けるキーワードを落とすことが少なくない)とか、スマホで無意識にツイッターを見てしまうなど何だかんだで隙間時間を上手く使えていないなどといった受験生の方がいたら、一度、この単語カードの勉強法を試してみてはいかがでしょうか?

 

人によっては効果絶大だと思います。

 

 

 

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「一歩また一歩 確実に進む

 そんなイメージも忘れずに」*2

 

 

   

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*このブログでの(他のブログについても同じ)表現は,あくまで私個人の意見,感想等を私的に述べるものであり,私の所属団体,関連団体のそれとは一切関係のないものです。そのため,例えば,私のブログにおける「受験生」とは,このブログの不特定多数又は少数の読者に司法試験や予備試験の受験生がいる場合のその受験生を意味し,特定の大学等に属する学生・司法試験受験生等をいうものではありません。

 

 

*1:Mr.Children桜井和寿作詞・作曲)「幻聴」(2015年)

*2:Mr.Children・前掲「幻聴」