「自粛と給付はセットだろ」は法的に正しいのか?
僕らは思っていた以上に
脆くて 小さくて 弱い
でも風に揺れる稲穂のように
柔らかく たくましく 強い*1
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本日(2020年4月5日(日))、美術手帖さんのウェブサイトに、「自粛と給付はセットだろ」を法的に検討する拙稿を掲載していただきました。
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21630
(以下冒頭部分を引用)
「自粛と給付はセットだろ」は法的に正しいのか? 弁護士・行政法研究者が解説
政府や自治体による大規模イベント等の中止・延期等の要請や「不急不要」の外出自粛要請、そのような自粛を呼びかける報道等により、美術・演劇・音楽等、文化芸術活動を行うアーティストや関係者らがイベント中止等により損失を受けている。こうした損失は、法的に補償されるものなのか? 「自粛と給付」はセットかという問題について、文化芸術活動への助成に関する訴訟にも携わっている弁護士兼行政法研究者が解説する。
文=平裕介(弁護士・行政法研究者)
(引用終わり)
「自粛と給付」すなわち自粛要請と【1】損失補償・【2】国家賠償はセットなのか?という問題提起をし、【1】・【2】のいずれについても、場合によっては認められる余地がある、と結論付ける内容となっています。
ウェブ版「美術手帖」の橋爪勇介編集長には大変お世話になりました。
ちなみに、こちらの拙稿は、ヤフーニュースでも取り上げていただきました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200405-00000004-btecho-cul
ヤフーニュースですと一部しか見られない(注釈部分は見られない)ようなので、美術手帖さんのサイトで注釈部分をご確認ください。
なお、以前も、美術手帖さんのサイトに、↓の、あいちトリエンナーレ2019補助金不交付問題を法的に検討する小論をご掲載いただきました(同じくヤフーニュースでも取り上げて頂きました、同様にヤフーニュースでは全文は見られないようなので、美術手帖さんのサイトで全文をご確認ください)。
「あいトリ」補助金不交付問題は県vs国の法廷闘争へ。今後の展開を行政法学者が解説
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/20747
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191019-00000004-btecho-cul
それぞれ、やや長文になってしまっていますが、お時間がありましたら、一部だけでもご笑覧いただけますと幸いです。
司法試験受験生・予備試験受験生の皆様の学習材料(普段の勉強と日常のニュースを架橋するもの)にもなるのではと思いますので、脚注部分も含め、ご一読いただけますと幸いです。
なお、あいちトリエンナーレそれ自体の話ではないのですが、関連する法的問題として、以下の記事も参考になるかと思います。
芸術文化振興会を提訴。映画『宮本から君へ』助成金不交付で
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/21096
それぞれ、今後の大学の授業(日程は延期されています)や講演などでも(まだ何とも言えませんが、ウェブでの授業等の可能性も出てきたように思いますが…)これらの記事の内容を適宜紹介できればいいなと考えています。
学部生(特に法学部生)の皆様も、ぜひ憲法や(拙稿に書かれている)行政法の条文を見ながら、お読みいただきたく存じます。
よろしくお願いいたします!
*1:Mr.Children「かぞえうた」『[(an imitation)blood orange]』(トイズファクトリー、2012年)